色々糸威胴具足

日本の甲冑は、身を包む「鎧」と「兜」で構成される。16世紀、戦国時代に大規模な戦闘を繰り返すことにより武器や技術のレベルが高まり、さらにスペインやポルトガルなどの西洋の甲冑の影響を受け、従来の鎧より防御性能を高めた「当世具足」という甲冑が登場した。当世具足は、一枚の板で胴部を作ることで、従来の甲冑よりも構造が単純化し大量生産が可能になったうえ、甲冑の材料も皮から鉄に変わったことから防御力が向上した。
この甲冑は一つの板で胴体の部分を作り、赤、白、藍色の糸で下半身を保護する草鞋(くさずり)を編んだ当世具足である。鎧の胴体部分には龍の装飾が施されている。龍の頭が装飾された兜は、中世時代の兜を模倣して作られたものと考えられる。

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