青磁獅子蓋香炉

美しい翡色と洗練された形が見事な調和をなした香炉です。香を焚く本体と獅子形の蓋で構成されています。獅子の腹には孔が空けられており、本体で香を焚くと、腹を通って口から煙が出るようになっています。1123年に宋の使節として高麗を訪れた徐兢の宣和奉使高麗図経には、獅子形の香炉の話が登場します。同作品は、徐兢が目にした香炉とは細部に違いがありますが、12世紀の高麗青磁のあり方をうかがわせる貴重な資料として注目されます。