青銅鐎斗
  • 年代

    百済

  • 出土地点

    広州郡

  • 材料

    金屬 - 銅合金製

  • 寸法

    高20.5 口径16.5

  • 番号

    本館 9955

  ソウル市松坡区風納土城で発見されて申告された遺物である。
 『太平御覧』に鐎斗は、“青銅で3本の足と把手をつくってつけた北斗七星形の容器で、容量は1斗で、炊事や温器として用いられる”と記録されている。
 鉢部と脚部、把手をそれぞれ別々につくって接合している。丸みを帯びて扁平な鉢部には、平底から緩やかな曲線をえがきつつ内湾してから外反する口縁部をもつ。脚部は3本が等間隔でつけられ、外側に曲がって脚端が蹄形をなし、安定感を増している。把手は龍が飛翔しているように美麗に曲線をえがき、先端には龍頭が繊細に表現されている。把手にこのような龍頭が表現されている鐎斗を、“龍首鐎斗”という。
 本例以外に、百済地域では原州法泉里古墳からも龍首鐎斗が出土している。こうした鐎斗は4~5世紀代に百済と中国南朝との交流によって中国青磁と一緒に中国南朝から伝わり、百済の地方統治過程で地方の有力な勢力に伝えられた威信財である。