安興地図
  • 年代

    朝鮮

  • 材料

  • 番号

    本館 8968

忠清道泰安の安興鎮を絵画のように表現した地図で、軍事的性格が強い。軍事基地である鎮を中心に描いたために、周辺の地形を簡略に処理している。
 安興鎮には城郭とともに東門、西門、南門などが描かれていて、鎮の本庁である行営の建物と洗剣堂、裨将庁、制勝楼、泰国寺などが描かれていて、海辺の船所には船も描かれているが、亀甲船の姿もみられる。
 この地図は安興鎮の移転後に描かれた地図で、余白には安興鎮移転の事実が記されている。すなわち、鎮の前方にある島には旧鎮と表記されていて、水路、陸路などの交通路は赤線で描かれている。山地は絵画のように表現しながらも、上方の“泰安主山”を表示し、風水的な結びつきも考慮していることがわかる。
 鎮の南側には関長項と狭い早瀬が描かれているが、“賊路要衝”と表記されている。軍事目的から鎮で使用した地図とみられる