鉄製竈
  • 年代

    高句麗

  • 材料

    金屬 - 鉄製

  • 寸法

    高28.1 長66.7 幅23.0

  • 番号

    本館 5244


平安北道雲山郡龍湖洞に所在する3基の古墳のうち、宮女の墓という伝承のある方形の石室墳から出土した。この古墳からは、金銅製鳳凰形装飾、金銅製透彫金具片、土器などが一緒にみつかった。
 一方は丸みをおびて狭く、もう一方は角張った梯形で、狭い側の端に上側に突き出した円筒形の煙突がつく。煙突の反対側は幅が広くなり、その側面端に方形の焚口がつくられ、上面には釜などを据えることができるように丸い穴があけられた。焚口の周りは簡単な線文を配し、焚口の縁にそって突帯をめぐらして装飾した。
 鉄製竈として実際に用いられたものと推定され、携帯用であった可能性もある。焚口が煙突と一直線上にはなく、側面端につくられた点が特異で、同様な形態の土製竈が通溝地方で発見されたことがある。