成夾筆 風俗画帖
  • 年代

    韓国

  • 材料

  • 寸法

    33.2x33.4

  • 番号

    本館 5119

  この画帖は合計14面で構成されており、場面ごとに題跋(書物や絵画にその由来や発行の意、感想、批評などを記した文章)が書かれている。両班と庶民の生活を素材にしており、金弘道(1745~1806以後)と申潤福(1785?~1817以後)の風俗画の影響がうかがわれる。本図を描いた成夾についてはよく知られていないが、人物のかたい描写と姿勢、未熟な運筆から見て、画風上後代に描かれたものと考えられる。
 内容は両班の生活を描いたもので、野外で肉を焼いて食べる場面、道で客引きをする場面、木の下で伽耶琴を弾く姿などがあるかといえば、庶民の風俗として主に除草、将棋、機織り、市場道、釣りをする場面などを描き出している。最初の面には、秋にロバに乗り出発するソンビ(学識と立派な人格を備えた知識人)と手伝いの子供の姿が描かれており、画面左には次のような内容が記されている。

山西衛子耳雙尖 山西地方の衛子(ロバ)は両耳を尖らせ
蹙鐙圓瓔障蔚藍 丸い鐙と玉をつけた障泥が澄んで清らかだ
千尺崑崙齊倚倂 千尺崑崙山に登ろうとすると
一呼衆諾威生炎 皆が良いと一斉に叫ぶ声に熱気が生じる