呉命顕筆 負翁
  • 年代

    朝鮮

  • 材料

    糸織 - 絹

  • 寸法

    18.7x20.6

  • 番号

    徳寿 2291

 呉命顕(17世紀末~18世紀中葉)は平壌出身、字は道叔、号は箕谷といったが、それ以外のことはよくわかっていない。日常の一断面を淡々と描き出した風俗画が数点伝えられており、本図もやはりその中の一つである。
 主人公は背負子に陶器を担いで道を急ぐ未婚の男で、帽子の下からはみ出た乱れた髪と、毛深い脛が諧謔的に描かれている。服装は乱れているが、瞳は生気に満ち、顔は楽しさにあふれ、おのずから興趣が感じられる。
 絹本に水墨とすっきりとした彩色で、草むらを背景に丘と道が描かれているが、このような構図は尹斗緒や趙栄祏などの士大夫画家が描いた風俗人物図を想起させる。