趙栄祏(1686~1761)筆 倣唐人筆漁船図
  • 年代

    朝鮮

  • 材料

  • 寸法

    31.3x43.4cm

  • 番号

    本館 2389

  画面右上に豹庵姜世晃(1712~1791)の本図に対する絵画評が記されている。これには、“観我齋趙栄祏の画は東国第一、人物画は観我齋が第一で、本画もまた観我齋の画の中で第一である。私が数十年前この画を見て、今また詳しく観る(觀我之畵爲吾東國第一人物畵觀我之第一此幅爲觀我畵之第一余曾於數十年見此今又重觀)”とある。
 構図と筆遣いが際立つ「漁船図」は、中国の明代に活動した唐寅の画風をもとに描いたものであるが、実は足を組む人物の姿はむしろ尹斗緒の「チプシン(わらじ)を編む人物」と類似した印象を与える。繊細な表現力は赤子を背負う女人の表情にもよく表れている。風俗画を描いたが、世俗的な空気を排除しようとする彼の士大夫的気質がよく表れている作品であるといえる。