姜希顔筆 高士観水図
  • 年代

    朝鮮

  • 材料

  • 寸法

    37.6x31.3

  • 番号

    本館 2504

本図は洞窟と切り立つ絶壁を背景におき、岩に寄りかかってうつ伏せた姿勢で水を眺めているソンビ(学識と立派な人格を備えた知識人)の悠々自適な姿を描いている。本図は中国北宋代の画家の影響を土台に発展した安堅派画風が風靡していた当時としては、一風変わった傾向の画風である。
 山水の小さな一部分を背景にした人物中心の構成や、前方の風景を主とした大胆な辺角構図と空間感の欠如などは、朝鮮中期に盛行した浙派(明代における浙江地方の様式の影響を受けた画家の画風)系の小景山水人物画風の先駆的な要素と思われる。
 この「高士観水図」は朝鮮時代中期に至り、咸允徳の「騎驢図」をはじめ、李慶胤・金明国などの浙派系画家の小景山水人物に大きな影響を及ぼした。左上に“仁齋”という彼の号を刻んだ印が押されている。