天目釉碗
  • 年代

    韓国

  • 材料

    陶磁器 - 天目

  • 寸法

    高6、口径12.7

  • 番号

    本館 2159

宋代の福建建窯で生産されたもので、兎の毛が何色か斑(まだら)に混ざっている兎毫斑文が描かれた黒釉茶碗である。宋元代に福建省のいくつかの地域でこのような盞を制作したが、建窯のものが最も優れている。

建窯兎毫盞は、北宋代から制作されはじめ、南宋代に最も繁栄したが、元代には生産されなかった。このように兎毫文様が作られたのは胎土と釉薬の性質と関係がある。

胎土は焼成温度が低い磁土で、硅素と鉄の含有率が高く、アルミニュウムの含有率が低い方である。釉薬の成分は、硅素とアルミニュウムの含有率が一般の黒釉よりも少なく、鉄の含有率が少し高い方である。そのため高温で焼成する時、熱を受けて生じる気泡が、釉薬の中の鉄分粒子に触れることになる。このような場合、1,300℃以上の熱で釉層が流動する時、鉄分を含んだ部分が流れ出し、茄子文様を形成する。

兎毫文様は外見上、金・銀・灰・黄・黒色などのものがある。兎毫盞の流行は、宋代の茶を飲む風習と関連が深い。