青磁鎬文有蓋壷
  • 年代

  • 出土地点

    新安郡

  • 材料

    陶磁器 - 青磁

  • 寸法

    壷 : 高24.2、口径25.7、底径18.4 蓋 : 高8.4、口径31

  • 番号

    新盜 370

壷の胴と蓋に縦縞文が施された壷である。壷の口縁は直線であり、縦縞文が施されていない頸を経て、肩から胴にかけて膨らんで行き、胴裾まで段々すぼまっている。
高台に至っては、少々ひろがっていく。壷の底は穴があるまま、内側から別の底が付け加えている。
蓋の端は蓮華を模っており、把手もやはり蓮華を模ったものである。胴全体に光沢のある濃い緑色釉薬が施されているが、壷の畳付・口縁・蓋の内側には釉薬が施されておらず、赤い胎土が見られる。
このような形の壷は、 宋代から中国の龍泉窯で作られた。四川省逐寧県金魚村の南宋時代の穴蔵からも類似した形の壷が出土している。
元代にも続いて制作されたが、胴壁が厚く、別の底部を付け加えた形式は、元代の特徴をよくあらわしたものである。新安の海底からは様々な大きさのこうした形の壷が多数引き揚げられた。
日本では、このような形の壷を酒会壷と言い、類似した形が金澤貞顯の墓から骨壷として出土しており、いくつかは日本の所蔵家により伝えられている。韓国の場合、殆ど同じ形の壷が舎利容器として水鐘寺浮屠にて使われていた