青磁三足香炉
  • 年代

  • 出土地点

    新安郡

  • 材料

    陶磁器 - 青磁

  • 寸法

    高7.3、口径9.7

  • 番号

    新安 13785

  青銅器である‘隔’の様式を模倣した香炉である。口縁は偏平で、頸は真っすぐとなっている。胴は扁球形で、棒状の脚を三つ付けた。胴から脚にかけて続く太い輪郭線は装飾的効果を増加させている。
  内底の三個所に穴が開いている。畳付を除いた全面には青磁釉が厚く施されているが、粉青又は砧青磁と言う美しい青色の釉薬である。
  新安陶磁器の中には香炉が数多く含まれているが、この様式はそのうちの一つである。宋時代から受継がれた様式で、様々なサイズがあり、上質である。日本にも類似した形の香炉が多少伝えられている。
  四川省逐寧県金魚村にある南宋時代の穴蔵からも類似した形の磁器が、何点か出土している。他に徳清県乾元山の南宋咸淳熙4年(1268)呉奥の墓からも類似した形の香炉が出土している。
  青銅器の一つである隔を模倣したということから中国では隔式香炉と呼び、日本では袴の形をしているということから袴腰香炉と呼ばれている。