青磁陰刻花文壷と蓋
  • 年代

  • 出土地点

    新安郡

  • 材料

    陶磁器 - 青磁

  • 寸法

    壷: 高16、口径13、底径10.3 蓋 : 高3.8、口径11.5

  • 番号

    新安 1891


口縁は直線を成した蓋付きの壷である。頸は下に少々ひろがった形態である。肩から胴までは膨らんで、下の方は段々すぼんでいく。高台は少々ひろがっており、高台の角が切り取られている。
壷の下端は穴があって、内側から丸い形の別の底を付け加えてある。胴の上下には陰刻線を一重ずつ廻らせ、その内側に雷文を陰刻してある。胴裾には陰刻の蓮弁文が表われ、蓋にも蓮弁文が薄く陰刻してある。
壷の全面には、光沢のある濃い緑色釉薬が施され、壷の畳付と口縁、蓋の内側には釉薬が施されておらず、赤色の胎土が見られる。
このような形の壷は、龍泉窯で宋代から作られはじめた。四川省遂寧県金魚村の南宋時代の穴蔵からも類似した形態の壷が出土している。
このような壷の製作は元代にも続いたが、胴の壁が厚くなっており壷の底を付け加えたところは、元代の特徴をよくあらわしている。大きさの違うこうした壷類が、何点か引き揚げられている。