重要
白磁鉄絵梅竹文壷
  • 年代

    朝鮮

  • 材料

    陶磁器 - 白磁

  • 寸法

    高さ 40.0cm

  • 指定文化財

    166

  • 番号

    徳寿 6294

白磁は粉青沙器とともに、朝鮮を代表する陶磁器である。粉青沙器は比較的短い期間の間に作られたが、白磁は朝鮮時代の全体にわたって制作・使用された。儒教の理念を現実世界に実現させようとした朝鮮王室と両班の思想と生活において、装飾を抑えた白磁の純粋な美しさはもっとも相応しいものだった。したがって王室や中央官庁で使われる白磁を制作するための専門の官庁である司饔院(サオンウォン)および京畿道(キョンギド)・広州(クァンジュ)の制作所、分院が設置された。

この白磁は上品で堂々たる形と優れた絵で広く知られる、16世紀を代表する鉄絵の作品である。胴部には竹と梅の木が写実的に描写されている。竹は没骨法により濃淡を生かしており、細くまっすぐ伸びた竹の葉と、曲がることなくまっすぐ四方に伸びた竹の幹は、信念を曲げない節操と高潔な気概を表わしている。一方、反対側に描かれている梅の木は、輪郭を描いた後に色を付ける方法が用いられている。曲がった幹と上を向いてまっすぐ伸びた小枝のコントラストが、抒情的で古風な雰囲気を漂わせる。

優雅で洗練された筆遣いから見て宮廷画家の腕によるものと見える。記録によると、司饔院所属の官吏が毎年、図署に所属した画家たちを連れて官窯に出向き、陶磁器の絵を描かせたという。