伝李亨禄筆『画帖』
  • 年代

    朝鮮

  • 材料

  • 寸法

    28.2x38.8

  • 番号

    徳寿 2933

李亨禄(1808~?)は国家で運営する絵画専門機関の画院画家で、字は汝通、号は松石といい、後に名を変えて宅均と名乗った。宮廷所属の画員の家として有名な全州李氏出身であり、父の潤民と叔父の寿民、淳民が画員であっただけでなく、従兄弟の宅禄、宣禄らも画員であり、やはり画員である金済達が彼の義兄弟であった。このように、伝統ある画員の家門ではあったが、秀でた画家が輩出されることはなかった。
 画員の家門出身であり、本を中心に、文房用品や日常用品、舶来品などを加えて豪華な雰囲気を作り出した冊架画を得意としたことが知られているが、父の李潤民、叔父の李寿民が風俗画を描いたことから、家業に従って風俗画を描いたことが推測される。
 この画集に収められた風俗画は、伝統的な山水人物画の構図に釣魚楽、蘆辺午睡、孤僧観水などと、呼舟図、渡船図、路中相逢、雪日酒幕、雪中向市など、金弘道、金得臣により好んで描かれた風俗画の素材を山水とともに描いたものである。