行草書で書かれた七言詩(行草 七言絶句)
  • 年代

    朝鮮

  • 材料

    糸織 - 絹

  • 作家

    尹淳(1680∼1741)

  • 寸法

    124.8x54.8

  • 番号

    徳寿 2465

肅宗と英祖の在位期間の文臣であり書家でもあった尹淳は、朝鮮時代末期の書道史において重要な位置を占めている。彼の作品は行草書七言詩である。尹淳の作品の中で大きな字の行草書はこのほかに残っておらず、資料的価値が高い。
尹淳は17世紀後半以後の多くの書家たちと同様に筆法の目標を王羲之(307∼365)とした。尹淳もまた朝鮮的六朝時代の書風を作ってきた一人であるが、師匠である李漵(1662∼1723)と自らの弟子である李匡師(1705∼1777)とは異なる方向の書体を見せている。彼は唐、宋、明代の書風の特徴をまんべんなく取り入れており、特に明代の書風を自らの書体に深く反映させている。
尹淳の書体から中国書家の痕跡とその影響を求めれば、北宋の米芾(1051∼1107)と明の文徴明(1470∼1559)、そして、董其昌(1555∼1636)を挙げることができる。これらの書家たちのように鋭く細く長い筆致を、尹淳もまた彼の書の中で駆使している。このような特徴は書をより洗練させて感覚があるように見せる効果を有している。しかし、尹淳が中国の書風に従い、書体もまた酷似するが、彼の書体は朝鮮時代の17世紀の書風の特徴でもある、大きく厚みのある筆画を駆使している点が異なる。