特別展開催に当って
韓国国立中央博物館と日本の東京国立博物館は、2015年の韓日国交正常化50周年を記念し、両国文化交流の長い歴史をともに振り返えるとともに、より友好的な未来へ進むための一歩として、本特別展を企画しました。
本展では、「半跏思惟像」という仏像形式を通して、両国が共有していた 仏教思想の一端を紹介します。
韓国国宝第78号の金銅半跏思惟像と日本国宝の中宮寺木彫半跏思惟像が、同じ場所で同時に展示されるのは本展が初めてです。それぞれ金銅製・鋳造と木製・彫刻という、材料と製作技法における差はありますが、当時は両国とも弥勒信仰が広まり、それをもとに製作されたのが両国の半跏思惟像でした。表の形式は異なるが、裏の思想は同じである、この韓日半跏思惟像は、両国の長い文化交流の歴史を示す証とも言えるでしょう。
韓日の両国民が愛してやまない国宝半跏思惟像が出会う本展において、両国民がお互いの文化を理解し、さらなる友好の絆が深まることを期待します。