特別展『エジプトの宝物展』の開催にあたって
国立中央博物館は、アメリカ・ニューヨークに位置するブルックリン博物館との二年余りの協議を経て『エジプト宝物展』を開催する運びとなりました。当館が行っている海外博物館内の韓国館支援事業により密接な関係を築いてきたブルックリン博物館の古代エジプトに関連した所蔵品二二九点をご紹介する特別展です。ブルックリン博物館には、さまざまな韓国文化財が展示されている韓国館が設けられています。
ご存知の通り、世界四大文明の一つ「エジプト文明」は、いつの時代も人々の関心を集める展示テーマの一つです。数世紀にわたり、エジプトは多くの考古学者にとって憧れの発掘地であり、新発見があるたびに世界的な注目を浴びてきました。そのため、古代エジプト遺跡から発掘された数多くの文化財は、エジプトのみならず世界各地の博物館に収められています。「ナイルの賜物」と言われるエジプト文明は、人類にとっても貴重な「賜物」なのです。
今回の特別展のテーマは「永遠の命のために」。古代エジプト人が抱いていた死後の世界に対する信仰、永遠の命を手に入れるためのミイラの製作過程とその意味、神格化された動物とそのミイラなど、ほかの文明には見られない古代エジプトだけの独特な文化をご覧いただけます。
「エジプトの宝物」と言及しましたが、展示品は単なる称賛の対象としての宝物ではありません。そのなかには古代エジプト人の創造力、芸術性、そして永遠の命への情熱が込められています。数千年前に生きたエジプト人との出会いが待っている特別なタイムトリップをご堪能ください。