過去 テーマ
来蘇寺の掛け仏
  • 展示場所

    書画館 仏教絵画室

  • 展示期間

    5월-10-2011 ~ 8월-28-2011

  • 共有

    Facebook X

展示品: 来蘇寺の掛け仏 (宝物1268, 高さ 995cm x 915m)

 

 「来蘇寺の掛け仏」展示は、釈迦誕生日を記念して、普段はあまり公開しない寺院所蔵の文化財を一般の人に披露するために企画されたものです。今回は全羅北道扶安郡に所在する来蘇寺の協力を得て、高さ9.95mの掛け仏が特別公開されます。

朝鮮時代の掛け仏は、巨大な規格のため制限されたスペースでしか展示できません。これより国立中央博物館は書画館の仏教絵画室に高さ15mの掛け仏展示スペースを設け、毎年釈迦誕生日に合わせて掛け仏テーマ展を開催しています。今回の展示は2006年の「本堂から外出した大きな仏画、清谷寺の掛け仏」展以降の7回目になります。

掛け仏とは、大きな儀礼や釈迦誕生日のような大勢の人々が集まる日に、本堂前の支柱に掛ける仏教儀式用の仏画です。仏教儀式は釈迦の力で疾病や飢餓、戦争、自然災害など、現実の苦難を乗り越えるために営まれるもので、特に亡くなった人の極楽往生を祈る供養法事の際に遠くからでも多くの人が見られるように大型の掛け仏が掲げられました。

来蘇寺の掛け仏は、17006月に製作されたもので中央の釈迦を中心に菩薩と如来が楕円形に取り囲む7尊形式で表現されています。この掛け仏は登場人物の光背左右に赤い縁取りをし、ここに金色の顔料でそれぞれの名前を書き込んでいますが、これは朝鮮後期の掛け仏図像研究の貴重な資料です。このような図像は『法華に基づき、当時刊行された『霊山会儀式集』の挙仏編に挙げられる人物とも一致しているため、仏教儀式集に基づく図像という点で大きな意味があります。

掛け仏の下段には、掛け仏造成に参加した49人の寄進者が記録されていますが、このうち苞山郭氏兄弟が特に注目されます。郭善興は、掛け仏造成前の1679 76に死亡したと族譜に記録されていますが、 亡くなった善興の遺族が故人の供養のため17006月に造成したものと推定されます。

来蘇寺の掛け仏は、18世紀掛け仏のはじまりという点で18世紀掛け仏の様相が窺える重要な作品です。人々の願いが込められた「来蘇寺の掛け仏」を通じて仏教文化に親しんでいただけることを願います。