2007年は戦乱に巻き込まれた朝鮮を率いた名宰相である西厓(ソエ)・柳成龍(リュ・ソンリョン、1542~1607)の逝去400週忌に当たる年です。この意義深い年を迎え、国立中央博物館は、柳成龍の偉業を振り返ってみる “朝鮮の偉大な宰相、柳成龍”展を開催いたします。
柳成龍は、学者であると同時に官僚でした。退渓(トェゲ) 李滉(イ・ファン)の門下に入り、彼の学門を継承する一方、30年間官僚として、壬辰倭乱(文禄慶長の役)によって危機に陥った朝鮮を率いていきました。弾劾を受け、職から退いた後は、戦争の惨状を回想し、その反省の記録、『懲毖録』を著述しました。『懲毖録』を通じて柳成龍は、指導者の明晰な判断力、安保に対する識見、そして国際的な外交能力などがどれほど重要であるかという教訓を残しました。
柳成龍は、国際情勢を正確に理解し、外交的な対策を講じた外交官であり、民と一体となった政治家であり、門閥や階級を超え、ただひたすらに能力と実利を考えて人才を登用した真の指導者でした。
この展示を通じて、指導者のあるべき姿を考え、今後大韓民国をリードする指導者像を描いてみる契機になれば幸いです。