国立中央博物館·文化財庁 共同企画特別展
発掘から展示まで
国立中央博物館と文化財庁では、このたび特別展「発掘から展示まで」を共催する運びとなった。発掘された遺跡や出土遺物の内容は、報告書として整理、出版され、少数の専門家によって活用されてきた。だがこうした成果を展示会という形で一般公開することは、これまで諸般の事情·問題により困難であった。
文化財庁と国立文化財研究所は、1969年以來、38年間にわたって国の重要遺跡を調査·発掘してきた。現在も、大田にある国立文化財研究所の遺跡調査研究室をはじめ、国立慶州文化財研究所、国立扶余文化財研究所、国立昌原文化財研究所が同事業を継続して進めており、近年、新たに国立羅州文化財研究所が設けられ、さらに中原地域にも研究所の新設が予定されている。
特別展では、これまでの発掘成果の中から27の遺跡を選定し、展示している。これらは、都城、宮闕、王陵、寺院などで、韓国の文化を明らかにする上で貴重な資料であると共に、先人が我々に託した偉大な文化遺産である。
展示は、朝鮮から高麗、そして新羅から加耶、百済へと、時を遡りつつ遺跡や遺物を鑑賞する形で構成されており、発掘現場と展示室をむすびつけ、先人の生き生きとしたこころと暮らしをいち早く伝えることを第一の目的としている。また今後も、新たに調査·発掘された遺跡や遺物を、できる限り早く多くの人が身近な博物館で鑑賞できるよう、努めていきたい。