国立中央博物館は17~18世紀のヨーロッパ君主の愛蔵品が鑑賞できる企画特別展「バロック・ロココ時代の宮廷文化」をKBS韓国放送、イギリスのヴィクトリア&アルバート博物館と共同で開催します。ヴィクトリア&アルバート博物館が所蔵している17-18世紀のコレクションは絵画、彫刻、陶磁器、ガラス細工、金属製品、家具、織物を始め、服飾、版画、ドローイングに至るまでそのジャンルは多岐におよび、今回はその中から厳選された101点の作品が展示公開されます。
本展は、ヨーロッパの宮廷生活で主な面々をテーマとしました。特に1600-1800年のヨーロッパの権力と後援をはじめ、戦争の重要性、宗教の役割、室内インテリアの芸術、華やかな衣服や装飾品という5つの側面から紹介しています。
展示品は、当時のヨーロッパ史において中心軸である君主と貴族の生活に密着したもので、衣食住を華やかに装飾し、一方で強力なイメージメイクを通じて使用者のアイデンティティーを代弁したものです。
これまで国内では、バロック・ロココ時代の装飾アートを重点的に紹介した展示はほとんどなかったため、今回の展示は大変意味あるものになるでしょう。
[展示の構成と展示品]
第1部 ヨーロッパ宮廷の美術後援
ヨーロッパ芸術の強力な後援者だった宮廷の主要人物たち―君主とその女人たちが注文したり、彼らの姿を表現した作品が展示されます。彼らは豪華な贈り物を注文し、それを互い贈り合うことで、この時期の美しさの基準を提示しデザインのアイデアを流通させる役割をしたと言えます。
©Victoria and
扇用の絵、 1673-4年頃
©Victoria and
フランソワ・ブーシェ、ルイ
15世の情婦、ポンパトゥール侯爵夫人 1758
©Victoria and
嗅ぎ煙草入れ
: プロイセンのフリードリヒ王のコレクション、 1765年頃第2部 権勢と栄光
このテーマでは、戦争が美術品の制作にどのような影響を及ぼしたかを探ります。戦争というテーマが鎧や兵器さらにはタペストリーや絵画など、多様な宮廷の品々を装飾するうえでどのように反映されていたのか、軍事力はどのように称えられていたかに迫ります。
©Victoria and
Philipp De Hondt
「戦争」連作での「行軍」、1718-19
©Victoria and
嗅ぎ煙草入れ
, 1757-58年頃
©Victoria and
火打石式ピストル、
1760年頃
第3部 宗教的な荘厳性
©Victoria and
ヨハネス
Zeckel 聖体顕示台、 1705年
©Victoria and
ジグムンド・
Dockler, 祈念杯, 1717年
©Victoria and
律法箱舟
カーテン、1676年装飾と社交を目的とし、いわゆる権力を誇示したり個人的な楽しみのために製作された宮廷と貴族の邸で使われた家具、ファブリック、陶磁器を紹介します。
©Victoria and
シャルル=ルイ・クレリソ、
「1組の壁・制御盤からの3、アキレスの物語から」1777年頃
©Victoria and
マーティン・カーリン、
多用途スタンド、 1777-85年
©Victoria and
ニコラ・ランクレ、
ブランコ、 1735年頃
第5部、ファッションと装身具
貴族が一生懸命に着飾った衣服と装身具を紹介します。ファッションと装身具は自分の社会的地位や文化的情熱を誇示する最も直接的な手段だったため、場合によっては形式を重んじ細心の注意を払っていた宮廷生活の一面に触れることができます。
©Victoria and
ローブ
1760-65
©Victoria and
胴着装飾
, 1700年頃
©Victoria and
旅行用かみそりセット、
1700-30年推定