国立中央博物館・常設展示館の朝鮮第5室を改編
  • Date2012-05-24
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大韓帝と近代」

立中央博物館常設展示館の朝鮮第5室を改編

 

 

立中央博物館(館長金英那(キム・ヨンナ))は、常設展示館1階の朝鮮第5室を「大韓帝と近代」というテーマで改編し、2012525()にリニューアルオープンする。本展示では、計5961点の近代の遺物が公開される。

 

朝鮮第5室では、立中央博物館の韓国の通史を締めくくる時代であると同時に、近・現代史が始まる時代であることを鮮明に意識できるように展示されている。日本の植民地時代へと続く大韓帝(1897-1910)に対する評価はまだはっきりと定まってはいないが、今回の展示では大韓帝における近代というものがいかなるものであったのか、その性格を明らかにし、それが現在へと繋がる流れの源であり、根幹であることを示せるよう、試みた。

 

展示は大きく三つに分けられる。第1部は大韓帝と近代的意識の成長、近代文明の受容などについてである。皇帝国家を宣布した大韓帝の制度の変化を、皇帝の印章や勲章などから窺うことができる。また、生活に急激な変化をもたらした汽車、蓄音機、写真機、電話機などの発明品が展示されている。そして、この時期に我が国を訪れた西洋人の記録を通じ、近代への移行期としての一面が窺える。

 

2部では、我が国の伝統絵画が西洋画法の流入に伴い、どのように近代絵画、現代絵画へと変化して行ったのかが確認できる。今年の2月、登録文化財に指定された中植(アン・ジュンシク)の「白岳春暁」、蔡龍臣(チェ・ヨンシン)の「崔然鴻の肖像(雲娘子像)」などを見ると、その変容は明らかである。はじめて公開されるイ・サンオク寄贈の「圭象の肖像」からは、写真技術が紹介されて以降、伝統的な肖像画技法にどのような変化がもたらされたかが分かる。

 

3部では、自由恋愛など道徳観念の変化を含む当時の社会変化が窺える面子本小説の表紙などが展示されており、我々が生きる現代が、近代史の中ではどのように位置づけられるのか、相対的に理解できるように音、動画、立体鏡、絵のパズルなどを利用した多様な体験コーナーが設けられている。

 

今回の展示では、我々が暮らしている現代と密接な関係にある近代という時代をもう一度振り返ってみるきっかけになるであろう。

 

 

 

安中植「白岳春暁」(登録文化財第485)1915

面子本小説「瑤池鏡(のぞきからくり)

フランス語版「春香伝」、1892

作者未詳「圭象の肖像」

アレンの検眼鏡(登録文化財第446)

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