馬に馬蹄をつける
  • 年代

    朝鮮

  • 材料

  • 作家

    趙栄祏

  • 寸法

    28.7x19.9

  • 番号

    東垣 2307

『東垣名品選』絵画編 図41
   
趙栄祏の字は宗甫、号は観我斎・石渓山人だ。朝鮮時代後期のソンビ(学識と立派な人格を備えた知識人)画家で、山水画と人物画に秀でていた。当時、名前を馳せた謙斎鄭敾・玄斎沈師正と共に“三斎”と呼ばれた。
特に彼は、事物を上手く描写しようと思ったら、人の絵をそのまま描き写すようなことは恥じと思い、生きているものを描かなくてはならないと強調した。彼は、風俗画の発達において先駆的な地位を占めた画家である。
この絵は、かますの上にちゃ色の馬を寝かせ、木に繋いで身動きが取れないようにした後で、馬の脚に馬蹄をつける光景を描いた風俗画だ。馬が痛みを訴えるかのように嘶く姿を上手く捉えた。また、人々も下唇をぎゅっとかみ締め、馬蹄を打ち付けている表情がよく表されている。
馬と人物の明暗表現も陰影がよく現わされており、リアルさを加えている。これに対し、木の表現は、木肌まで細かく表現されてはいるが荒く描かれ、少しぎこちなさを感じる。