重要
天の四方を司る四神が刻まれた石棺(四神文石棺)
  • 年代

    韓国

  • 材料

  • 番号

    新收 5880

死者の遺骨を納めた石棺である。蓋の表面には飛天と花が、内側にはカシオペアや北斗七星が、底の内側には格子文が刻まれている。また、4面の板石には、表に四神(青龍、白虎、朱雀、玄武)が浮き彫りにされており、内側には花と花瓶が線刻されている。四神は邪悪な機運を退け、内側の花と花瓶は亡者の安息のために捧げられた物と考えられる。

統一新羅時代以降流行した仏教式火葬は高麗時代に入って上流階級の間で広まった。同時に遺骨を納めるための石棺も普及されたが、石棺の外側には四神、十二之神、飛天などが、内側には花や鳥のような動植物、北斗七星のような星座が多く線刻された。内側には遺骨が納められた人の墓地名が刻まれることもあった。

石棺は当時の火葬の風習はもちろん、高麗の人々の来世に関する考え方を知る上で重要な遺物である。