地球の表面の3分の1。全ての大陸を合わせた面積よりも広大な海。それが太平洋です。
この果てしない海において、人々は船を浮かべ、島々を見つけ、自らのルーツを築いてきました。太平洋に点在する無数の島々において人々が築いてきた芸術・文化・物質文化の総体を「オセアニア(大洋州)」と呼びます。
島と島の間を道と見なし、星と風、海流を頼りに航海してきた人々。その世界には、独創的な芸術と哲学の物語が広がっています。
特別展「マナ・モアナ ― 神聖なる海の芸術、大洋州」は、国立中央博物館とフランス・ケ・ブランリ=ジャック・シラク美術館が共同で企画した展覧会です。18世紀から現代に至るまでの、大洋州の伝統芸術および現代作品を紹介します。
カヌー、彫刻、仮面、楽器、石像、装飾品、織物などを通じて、大洋州の人々の暮らしと哲学を生き生きと伝える展示となっています。
ポリネシア語で「マナ(mana)」はすべての存在に宿る神聖な力を、「モアナ(moana)」は広大な海を意味します。神聖なる海を生活の場であり、つながりの空間とする人々にとって、「マナ」は命や自然、祖先を尊ぶ心の源であり、世界を動かす力でもあります。
この「マナ」の世界観は、自然をはじめとするすべての存在を、単なる利用の対象としてではなく、共に生きるパートナーとして見つめる深い気づきを与えてくれます。今、私たちは「地球」というひとつの島において、人類が築いてきた多様な文化と出会います。本展「マナ・モアナ」を通じて、心に響く豊かなひとときをお過ごしください。
■ 展覧会情報
- 展覧会名:特別展「マナ・モアナ ― 神聖なる海の芸術、大洋州」
- 会期:2025年4月30日(水)~2025年9月14日(日)
- 会場:国立中央博物館 特別展示室2
- 展示品:18〜20世紀の大洋州の作品 約180点 大型カヌー、彫刻、石像、楽器、装飾品、織物など)
- 主催:国立中央博物館、フランス・ケ・ブランリ=ジャック・シラク美術館(共同主催)
- 開館時間:
・月・火・木・金・日:10:00〜18:00
・水・土:10:00〜21:00