螺鈿函

19-20世紀初めの螺鈿漆器には十長生、双鶴天桃、コウモリ、文字寿福など多彩な文様が登場する。これらはこぞって富貴栄華、長寿などを象徴するもので、二つか三つの文様を組み合わせて表現した。その上、クヌムジル切断技法で表現した幾何学的文様や山水文が流行っていた。
この箱は、巻物の保管に使われていたもの。蓋表は、双鶴と天桃で飾られており、側面は松と双鶴、竹と鳳凰文でうめられている。裏面には梅と鳥の文様が表されているが、朝鮮後期の十長生文様が使われた螺鈿漆器で頻繁に登場する文様の組み合わせである。

収蔵品データベースへ