青磁魚龍形注子

龍の頭と魚の尾をもつ水注です。陽刻を用いた細かなうろこが、魚を連想させます。頭部のひげや目の描写も生き生きとしています。頭のすぐ下にある胸びれは翼のようで、後ろの尾びれは垂直に立ち上がっており、すぐにでも水を叩いて飛び上がりそうな姿です。こうした動植物や人をかたどった青磁を「象形青磁」といいます。高麗の象形青磁は、対象の特徴を自然かつ簡潔にあらわしつつ、高麗独特の美しさをうまく引き出しているのが特徴です。