半跏思惟像

思惟空間には、韓国の国宝に指定された半跏思惟像2体が並んで展示されています。半跏思惟像の美しさは世俗の感覚を超え、信仰の境地を最高の芸術として表現しています。半跏思惟像とは、すなわち右足を左膝に乗せ、深い思索にふける仏像をいいます。そっと閉じた口元に浮かぶ穏やかな微笑みは、深い思索の末にたどり着く悟りの刹那を表しています。この刹那の微笑みに、多くの煩悶や考えが溶け込んでいるのです。7世紀前半に制作された半跏思惟像は、簡素で控えめな様式が見られています。特に、3つの半円からなる宝冠と、2つの円形の首飾りは、何も着ていない上半身のシンプルさを際立たせます。それに対し、膝の下の衣文はリズミカルに波打っていて、立体的に流れ落ち躍動感を感じさせます。同作品は、日本の国宝第1号である京都の広隆寺にある半跏思惟像と酷似しており、古代韓国から日本に仏教文化が伝来したことをうかがわせます。

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