陶硯
  • 年代

    百済

  • 材料

    土製 - 硬質

  • 寸法

    高15.8 口径20.1

  • 番号

    本館 13298

  蓋をもつ硯で、硬質で淡い黒色を帯びている。硯の外堤は直立して端部を丸く仕上げ、硯面は傾斜をなして中央が高くなっている。外堤の外側は蓋を受けるように段がめぐらされる。脚部の内側は硯面を受け、外側の上端は外堤外側の段に接している。脚部は中間が内湾する。脚部の上下に突線を配し、下端には三角形文が表現される。蓋の中央には球形のつまみがつき、このつまみを中心として3条の同心円状の沈線が間隔をおいてめぐらされる。
 本例のような円面硯は中国南朝から百済に受容され、さらに日本に伝わって流行した器形である。