白磁鉄画葡萄猿猴文壷
  • 年代

    朝鮮

  • 材料

    陶磁器 - 白磁

  • 寸法

    高30.8㎝

  • 指定文化財

    93

  • 番号

    本館 2029

朝鮮後期の鉄画白磁の中でも明らかに秀でた傑作品である。短く立てられた口縁と、丸い肩部から下に向かって次第にすぼまる端麗なラインは、17世紀後半から18世紀の白磁壷にみられる造形的美的感覚である。胴部の全面には余白の美を活かして葡萄唐草を施し、葡萄の蔓間を俊敏に飛び越える猿が描かれている。鉄画の顔料が濃く設彩されることによって、全般的な発色が強く、所々撥ねたり、崩れたりして細やかに描写されていない点があるが、むしろ鉄画顔料の深く上品で威厳がある色と柔和な乳白色の地、そして巧みな構図が共に調和し、円熟した洗練美を表している。