多頭石斧
  • 年代

    青銅器

  • 材料

  • 寸法

     径11.2

  • 番号

    新收 5783

青銅器時代の特徴的な石斧で、刃がいくつにも分かれて星形をなすことから“鋸歯石斧”あるいは“星形石斧”とも呼ばれる。
 一般的な形態は断面レンズ形の石製円盤の周縁に、鋸の歯のように一定間隔で切り込みをいれて角のような突起をいくつもつくったものである。
 中心には柄をはめるための孔があり、この孔と突起の間に放射状に溝がほられた。この石斧は、中心孔の周囲の上下に丸い突出部があり、刃を形成している突起の形態も端がやや広い梯形で、一般的な形態とはやや違いをみせる。
 多頭石斧の機能については、社会分化により形成された支配階層が、彼らの権威を象徴するために用いたものとみる説もあり、武器の機能をもった棍棒の頭部とみる説もある。同じく棍棒の頭部の一種である環状石斧から変化して生じたものなのかどうかははっきりしないが、同じ系統だとみられる。
 本例のような石斧は、中国の内蒙古や熱河地方、日本はもちろん、コーカサスなどのユーラシア各地と南方の島嶼地域をはじめとして、中南米大陸にも分布することが知られている。
 韓国では、主に西北地方と東北地方に集中的に分布しており、全国的な分布を見せる環状石斧とは違いがある。