粉青沙器印花繩簾文“鎮海仁壽府”銘皿
- 年代
朝鮮
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材料
陶磁器 - 粉青
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番号
東垣 567
『東垣李洪根蒐集名品選』陶磁編 図39
現在まで知られているところでは、地名や官司名が彫られている陶磁類は青磁や白磁に比べて粉青沙器が圧倒的に多い。粉青沙器の中でも忠清南道公州郡鶴峰里で作られた鉄絵粉青を除いては印花文粉青沙器が最も多い。
刻まれた地名を見ると三嘉、蔚山、咸安、鎮海をはじめとして密陽、星主、昌原、陝川、高霊、彦陽など、主に慶尚道地方の地名が多い。
この皿は口緑部が外側に広がっていて、內底の中央には“鎮海”が刻まれている。そして外側の側面中央には繩簾文を基本に三個所に“仁”、“壽”、“府”という文字がそれぞれ円の中に白象嵌されている。
口緑の内外に象嵌された唐草文を除いては、ほとんど全面を印花して白土をたっぷり施した。このことから印花文粉青沙器の全盛期に作られた作品であることがわかる。
釉薬は全面に均一にかけられて、よく溶けて澄んだ透明で、ひび割れた貫入はない。高台は中央に向かって斜めに削られており、畳付の釉薬を拭き取った後に砂を敷いて焼いた。