粉青沙器鉄絵蓮唐草文盒
  • 年代

    朝鮮

  • 材料

    陶磁器 - 粉青

  • 番号

    東垣 324

『東垣李洪根蒐集名品選』陶磁編 図54

 合身の側線は底面が広くなるように次第に広がってから、急激に曲がって狭くて高い高台に至り、蓋は合身の口緑部とよく合うように周縁から外側に段がついている。このような形態の盒は、粉青沙器はもちろん金属器や白磁でも多く作られて、朝鮮時代の初期に見られる盒の典型的な姿だ。
文様を見ると、合身には一条の陰刻線を刻んで、これを基本に蓮華唐草文を細い鉄絵線で軽く描いた。蓋にはくねくねした波状線の区画の中に変形された唐草文を描いた。
釉薬は薄い黄色を帯びたものがかけられて、ところどころに均等に細かくひび割れた貫入が見られる。蓋は逆さにして焼いたのか上面に砂の跡があって、合身は畳付の釉薬を拭き取って砂まじりの耐火土を敷いて焼いた。