笠形銅器
- 年代
初期鉄器
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材料
金屬 - 銅合金製
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寸法
高16.4
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番号
徳寿 2493
黄州黒橋里遺跡から出土した青銅遺物で、遺構の性格は不明である。車の欄干を装飾する車輿具の一種で、笠形銅器と呼ばれる。
上半部がキノコのような形をしており、下半部は上方がややすぼまる円筒形である。下半部には1~2つの円盤状の突起をもつものと、そうした突起がなくて下側がやや広がるものの2種類がある。
笠形銅器はいずれも中空であるが、大同江面では内側に挿入された木棒が一緒に出土した例がある。キノコ形をした上半部の内側には、鋳造時に中を空洞にするために使われた鋳砂土や粘土がそのまま残っている場合が多い。
車輿具は漢文化の影響で製作・使用されたもので、韓国では平壌を中心とした大同江流域から主に出土し、南部地方の出土例としては大邱坪里洞遺跡・慶州安渓里遺跡など数例に過ぎない。
本例の他にも黄州黒橋里遺跡からは、銅剣・銅矛・剣把頭飾・五銖銭・銅製匙・乙字形銅器などが一緒に出土した。既存の青銅器文化が急激に衰退して、漢式文物が流入する時期に当たる。