李継祜筆 葡萄図
  • 年代

    朝鮮

  • 材料

    糸織 - 絹

  • 寸法

    121.5x36.4

  • 番号

    徳寿 1327

葡萄を素材にした水墨画は、宋末元初に活動した禅僧の日観(13世紀末)によって創始されたといわれている。
 韓国では中国や日本より特によく描かれ、朝鮮初期の申師任堂とともに最初に葡萄図で名声を得た画家は黄執中である。黄執中は墨で描いた葡萄を、墨梅や墨竹にひけを取らない文人画の素材に押し上げた画家の一人である。
 葡萄図は、成三問・申師任堂・黄執中・李継祜・洪受疇・李寅文・沈廷冑・崔奭煥などがよく描き、彼らによって葡萄図の定型がつくられた。
李継祜(1574~1645)の号は休休堂で、洪湜から絵を学び、葡萄図を得意とした。彼の葡萄図の特徴を見ると、まず蔓が曲線をなして流動的に描写され、構成と配置が優れている。また、多様な形態の葉と房が、濃淡の墨で強調された色の対比をなし、丸い葡萄の粒を濃く滲ませ、漸進的な変化を与える渲染効果を通じ、立体感を図った点などが特徴として挙げられる。