重要
白磁鉄絵垂紐文瓶
- 年代
朝鮮
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材料
陶磁器 - 白磁
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寸法
高さ 31.4cm
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指定文化財
1060
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番号
新收 12074
白磁は粉青沙器とともに、朝鮮を代表する陶磁器である。粉青沙器は比較的短い期間の間に作られたが、白磁は朝鮮時代の全体にわたって制作・使用された。儒教の理念を現実世界に実現させようとした朝鮮王室と両班の思想と生活において、装飾を抑えた白磁の純粋な美しさはもっとも相応しいものだった。したがって王室や中央官庁で使われる白磁を制作するための専門の官庁である司饔院(サオンウォン)および京畿道(キョンギド)・広州(クァンジュ)の制作所、分院が設置された。
この瓶は、朝鮮前期の白磁の瓶ならではのボリューム感と曲線の美しさが見られる代表例である。細い首部から一条の紐が落ちてきて下の方でくるりと巻かれている文様が鉄絵で描かれている。余白を生かした描写、シンプルだが思いっきり下に伸びた力強い線には、一切の装飾を抑えた匠の熟練した技が遺憾なく発揮されている。
底の内側には鉄絵でハングルが書かれている。意味は不明であるが、ハングル誕生以降に制作されたことが推測できる。