国立中央博物館は、高麗(918~1392)建国1100年を記念して特別展を開催します。中国宋の皇帝、徽宗の使節団の一員だった徐兢(1091~1153)は、1123年に高麗の首都開京を訪問した後『宣和奉使高麗図経』を書きました。今回の特別展では、同書で徐兢が称賛している高麗の文物のほか、同書の後に高麗が築いた文化がわかる資料を紹介します。高麗は、統一新羅と渤海の文化を継承して伝統と融合させる一方で、周辺諸国との活発な交流によって国際的な文化を築き上げました。当時、禮成港には多くの外国人が訪れ、「コリア」という名前が広く世界に知られました。徐兢が讃えた高麗青磁が当時の新技術に対する高麗人の挑戦を映し出すものであるとすれば、精巧で繊細な高麗仏画の美しさと螺鈿漆器の味わいは、その結果として到達した芸術性の頂点です。
本展示は、高麗美術のすばらしさと、挑戦が秘める価値に焦点をあてています。高麗が成し遂げた融合と統合の成果は、韓国人の中に内在する「もう一つの遺伝子」なのです。本特別展から、高麗を失われた中世の王朝として捉えるのではなく、現在における高麗の意味を見つけることができるでしょう。
○ 会 期 : 2018.12.4.(火)〜2019.3.3.(日)
○ 会 場 : 企画展示室
○ 主 催 : 国立中央博物館
○ 展示品:青磁瓜形瓶(国宝第94号)、阿弥陀如來図、螺鈿経函、銀製注子など約230件
○ 協 力 : 国立博物館文化財団
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