外奎章閣『儀軌』返還に大きな功績を残した朴炳善博士が他界
  • Date2011-12-07
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外奎章閣(江華島にあった王立図書館の奎章閣の付属図書館)の図書返還の立役者、朴炳善(パク・ビョンソン)博士がフランス現地時間で20111122日午後1040(韓国時間23日午前640)、他界しました。享年八十三歳でしたフランス在住の歴史学者、朴炳善博士は1972年、フランス国立図書館で世界最古の金属活字本『直指心體要節』を発見し、1979年、外奎章閣図書の存在を確認して韓国政府に報告しました。その後も2011年外奎章閣図書の返還に、多大な貢献をしてきました。

故人の遺体は1130日午後325分、故国仁川空港へと運ばれ、国立ソウル顕忠院に安置されました。

 

 

<朴炳善博士>

 

<故朴炳善博士を追悼する焼香所-立中央博物館>

 

 

朴炳善博士の功績

 

○フランス国立図書館の職員として勤務している時、東書館に保管されていた『直指心體要節』と外奎章閣『儀軌』297巻を発見し、これを世に知らしめるのに決定的な貢献をしました。

○フランス国立図書館所『直指心體要節』が韓国の文化財であることを知り、それが当時金属活字の世界最古本として知られていたグーテンベルク聖書より78年も前に印刷されたことを証明したことにより、韓国が世界ではじめて金属活字を使用していたこと、当時の韓国文化が非常に進んでいたことを世界に示しました。『直指心體要節』は20019月、ユネスコ世界記録遺産に登録されました。

30年以上の長い年月の間、自費で外奎章閣『儀軌』目録と要約本をフランス語で整理し、『丙寅年、朝鮮を侵略し、略奪する』という本を韓国とフランスの両国で出版、丙寅(1866、フランス人牧師の処刑をきっかけに、朝鮮とフランスの間に発生した戦争)による儀軌搬出の背景や外奎章閣『儀軌』の返還問題を世界に知らしめ、外奎章閣図書返還運動の口火を切りました。2011年、 ようやく外奎章閣『儀軌』が韓国に返還されましたが、それは朴炳善博士の努力があってこそ可能になったのです。外奎章閣『儀軌』の返還は単なる文化財の返還ではなく、朝鮮(1392-1910)という国家の公式文書が返還されるという歴史的事件であり、これを皮切りに、韓国がフランスなどの先進国との新しい国際関係を築いていく礎石になると期待されます。

 

 

<20117~9月に開催された外奎章閣『儀軌』特別展を見る>

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