ベトナム展 <ベトナムの人々の生活と文化> 開催
  • Date2008-12-14
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ベトナム展 <ベトナムの人々の生活と文化> 開催

 

  - 展示名 : ベトナムの人々の生活と文化 "The Life and culture of Vietnamese"   
  - 展示期間 : 2008年3月11日(火)から約2年間
  - 展示場 : アジア館、インド・東南アジア室 
  - 展示物 : 青銅鼓、他148点


国立中央博物館(館長:崔光植)は、2008年3月11日(火)からアジア館インド・東南アジア室にて、<ベトナムの人々の生活と文化>というテーマ展示を開催する。本展示は、今後約2年間にわたり常設展示される予定だ。この度、公開される作品は、この展示を企画するにあたってベトナム国立歴史博物館、国立民俗博物館、国立美術館から長期間借り入れた貴重な遺物、及び国立中央博物が所蔵するベトナム関連遺物などである。  

この度の展示は、作品の性格と内容により、‘ベトナムの人々と工芸’、‘ベトナムの古代文化’、及び‘ベトナムの陶磁器’など、大きく3部門に分けて展示スペースが構成されている。

まず、‘ベトナムの人々と工芸’では、ベトナム各地域に居住する少数民族の衣装、籠、楽器、人形、螺鈿漆器などの工芸品を通して、ベトナムの人々の生活の中に息づく文化を知ることができる。特に、水上劇で使用される人形や楽器からは、ベトナムの人々の遊技文化を垣間見ることができるだろう。墓の周辺に立てる木造人形からは、葬儀文化を垣間見ることもできる。
 
次に、‘ベトナムの古代文化’では、ベトナムの先史文化の象徴とも言えるドンソン(東山)文化を知ることができる。ドンソン(東山)文化の代表格である青銅鼓は、ベトナムの人々の先史文化に対する誇りであると同時に、ベトナム文化と文明の象徴と看做すことができよう。また、青銅鼓に刻まれた文様を通して、古代ベトナムの人々が持っていた人生観や自然に対する関心を間接的に眺望することができる。

最後に、‘ベトナムの陶磁器’では、紀元前2世紀頃に製作された陶磁器から19世紀までに製作された陶磁器を展示し、ベトナム陶磁器の始原と発展の過程を概観することができる。このような展示は、ベトナム以外の国家では類を見ないものだ。

現在のベトナムは、戦争やボートピープル(boat-people)などの過去の暗いイメージから完全に脱皮し、東南アジアで最も注目される新興産業国家にまで発展した。今回の展示では、急激な変化と発展を可能にしたベトナムの原動力をベトナムの文化財を通じ眺望しようとするものである。

 

人物燈盞
タインホア 出土、紀元前3-2世紀
高 45cm
ベトナム国立歴史博物館

ドンソン文化の青銅遺物を代表する傑作である。立て膝の人物の姿が比較的写実的に描写されているのが目につく。舞!)のような姿で、結った頭に帯状のものを巻いている。頸には首飾りを下げ、肩と背にはS字型の装飾がつけられている。手を胸の前で合掌し、燈盞の油皿を支えている。花が装飾された腰紐を巻いている。

 

 

燈盞
ハドン省トゥリエム区域で発見
莫朝、端泰4年(1588)
高 74cm
ベトナム国立歴史博物館所蔵

この燈盞は、寺院に奉納する際に使用する奉献道具で、国内用として製作された。身は二つに分けられる。上部は蓮の蕾を模しており、下部はほっそりした壷を模している。頸には、翼の生えた龍、蓮の中の龍、菩提樹の中の龍、幾何学文様などが彫られている。胴部に彫られた銘文に因れば、1588年にダン・フエ・トン(Dang Huyen Thong)が製作したものである。

 

白磁染付皿
クラオチャ厶島沿岸の沈没船から発見
15世紀
ベトナム国立歴史博物館

1997年から1999年にかけて、クラオチャ厶島の沿岸ホイアンで座礁していた15世紀の沈没船から引き上げられた。24万点余りの陶磁器が出土したが、大部分ベトナム陶磁器が全盛を極めた15世紀に生産されたもので、動植物と自然を素材とした多様な文様が見られる。

 

鳥に乗り楽器を奏でる神
14世紀
84.5 x 95.5 cm
ベトナム国立美術館所蔵

この作品は、木工品を代表する名品だ。元々、塔の表面を装飾していた彫刻で、楽器を奏でる二人の神が登場する。各々、想像上の鳥に乗り、笛と弦楽器を演奏している。背景は、雲の文様などで隙間なく埋め尽くされている。

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